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■■■■■ 工房探訪 ■■■■■
「𠮷川輔良」棟梁 株式会社𠮷川建築工藝
2011年11月11日、雨が降りしきる中、東京都八王子市にある𠮷川棟梁の作業場を訪れました。作業場は市街地から離れた静かな場所にあります。場内に入ると、施工中の材料がギッシリと積まれ、その奥には棟梁がこれまでやってこられた仕事を垣間見ることのできる原寸大の型や、仮組の模型などが所狭しと置かれています。
1階の作業場
また、お弟子さんにあたる従業員の方が黙々と作業をしている光景が印象的でした。道具も整理されて収納されており、ゆっくりと中を見たかったのですが、棟梁の仕事を止めての訪問。あまり迷惑はかけられません。わずかに覗かせて頂いて、2階の棟梁の部屋へ。
まずは、膨大な工事記録と資料に驚かされ、棟梁の精神が伺われます。
壁一面に納められた膨大な工事記録と資料・・・凄いです
お弟子さんにお茶を頂き、棟梁の様々なお話を聞かせて頂きます。独立して間もない頃、棟梁は白州正子さんとの交流があったようで、超一流の文化人から学んだものは数多く、当時棟梁に宛てたサインのある著書を拝見しましたが、本当に大切にしておられます。
𠮷川棟梁と

※白州正子さんとの思い出の写真や著書などを拝見
そして、棟梁の代表作などをお聞きします。独立後すぐに施工した円林寺鐘楼堂にはじまり、数多くの完成写真を拝見。棟梁は「私の場合、形を残す仕事している以上いつも真剣勝負だが、節目と感ずる仕事が10年に一度くるような気がする」という。また、どれを取ってもすばらしい仕事なのですが、「若かりし駆け出しの頃の仕事を今見ると、恥ずかしくて取り替えたくなる」などと言われ、常に上を目ざし生真面目で几帳面な性格の棟梁らしい言葉と感じました。
写真を見ても圧倒される仕事なのですが、実物をどうしても見たくなり、日を改めて視察に行こうと思っています。

※代表作の写真を拝見
また棟梁は関東を中心に活躍されているわけですが、「関東は彫刻の多用された建造物が多い。大工と彫工の共生は良いことだが、目立つ彫り物にかこつけて大工仕事の仕口を手抜きしているようなものも少なくない。私は、そうならないようにしたいし、本来の大工仕事で見せる美しさを造り上げたい」とも言われ、筋金入りの棟梁と感じました。
棟梁は現在59歳。まさにこれからが円熟期。まだまだこれから後世に残る仕事を数多くなさることでしょう。
これからも機会あれば棟梁とお会いし、今生み出されていく文化財を拝見し続けたいと思います。